スペシャルメッセージ

プロフィール

倉橋香衣選手PROFILE

1990年、兵庫県生まれ。20歳のときにトランポリンの練習中に頸髄を損傷し、鎖骨から下の機能を失う。リハビリ中に車いすラグビーを始め、2017年に女性選手として初めて日本代表に選出。2018年世界選手権の初優勝に貢献

大ファンである そにしけんじ先生が描く
“車いすラグビー”、最高です!

男女混合の競技である「車いすラグビー」で、日本代表として活躍する倉橋香衣選手。体が大きい外国人選手にも臆することなく激しくぶつかっていく闘志の持ち主、倉橋選手がニャンと「ラガーにゃん」を愛読してくれていると知り、その魅力を語ってもらいました。

「大ファンのそにし先生が描く車いす猫ラグビーもすごい迫力ですが、私たちも激しさでは負けません。試合会場で体感してください」
 そう語るのは、来年開催の東京パラリンピック、車いすラグビー日本代表候補の倉橋香衣選手(30)。
「車いすラグビーの魅力はなによりも力強いタックルです。私もラグ車(競技用車いす)同士を思い切りぶつけ合うことにひかれ、競技を始めました。丸太のような太い腕をした巨漢の外国人選手にぶつけられると、2〜3㍍も押し返されることも。でもタックルをされるということは、相手チームの攻撃を邪魔したり、味方選手のアシストになっていたりするから。『タックルがきた、ラッキー』と思ってしまいます」
 競技会場には「ガシャン」と車いすがぶつかり合う音が響く。その衝突音だけでもダイナミックさは伝わるはず。さらに……、 「攻撃を担う選手が、 器用にラグ車を扱ってコートを駆け抜けていくトライシーンは車いすラグビーの華。守備を任されている私の役目は、味方選手がボールを運びやすいように、相手選手をブロックして道を作ったり、スペースを作ったりすること。会場に来てもらえれば、そんなテレビには映らない縁の下の力持ちのプレーにも興味を持ってもらえるはずです」
 柔らかい笑顔の倉橋選手だが、その笑みの下には負けん気の強さも。
「女性だからってナメられるのは嫌なんです。選手として東京パラリンピックに出場するからには、きちんと仕事をして、最も輝く色のメダルを手にしてチームメイトと喜びを分かち合いたいです。
 今は、残っている筋力でもしっかり動かせるように、肩の可動域を広げるリハビリに取り組んでいます。障害の程度はケガをしてから1㍉も回復していませんが、できることは確実に増えています。そんな努力を積み重ねていけば金メダルも夢ではありません」
 来年の夏、彼女の最高の笑顔が輝く瞬間は“見逃し禁止”だ。