佐伯泰英 文庫書き下ろし最新作 出絞と花かんざし 6月16日発売! 佐伯泰英 文庫待望の書き下ろし最新作 出絞と花かんざし 6月16日発売!

内容紹介

京北山の北山杉の里・雲ケ畑で、六歳のかえでは母を知らず、父の岩男、犬のヤマと共に暮らしていた。従兄の萬吉に連れられ、京見峠へ遠出したかえでは、ある人物と運命的な出会いを果たす。京に出たい――芽生えたその思いが、かえでの生き方を変えていく。母のこと、将来のことに悩みながら、道を切り拓いていく少女を待つものとは。光あふれる、爽やかな物語。

登場人物紹介

  • かえで六歳。
    北山杉の里・雲ケ畑で、
    母を知らず育つ。
  • 萬吉かえでの面倒をよくみる
    優しい従兄。
    宮大工になることを夢見る。
  • 岩男かえでの父。
    北山杉の山仕事と、
    鴨川水源の水守をしている。
  • お茂村長の妻。
    かえでと萬吉に
    読み書きを教えることに。

物語の舞台、北山杉の里とは?

磨丸太

京・北山(現在の京都市北区の北端)で、北山杉と呼ばれる高級木材が生産されている。室町時代からすでに存在していたという北山杉は、伐り出して皮をはぎ、砂で磨きをかけて磨丸太として出荷された。江戸の頃より、この磨丸太は特殊な価値を持ち、価格も他の材木の追随を許さなかったという。
北山杉の林では、杉の下枝が切り払われ、まっすぐな幹に、上枝だけが帽子を載せたような格好の木々が育ち、これが何百本も生い茂る風景が見られる。
北山杉の里は、京都市街を流れる鴨川の水源に近く、主人公・かえでの父親の岩男は、北山杉の山仕事と一緒に、鴨川水源の水守の仕事も請け負っている。

北山杉の里

北山杉の里地図

出絞とは?

「天然出絞丸太」の略。杉の丸太の木肌に、突然変異で自然に、絞ったような凸凹の文様ができたもの。江戸の頃、高級木材として知られる北山杉の丸太の中でも、特に希少で流通量が少なく、最高級の木材であった。茶室や寺社の床柱などに使用され、珍重された。
物語の主要人物の萬吉は、この出絞丸太や、磨丸太などが特産とされる北山杉を育てる山仕事を、幼いころから手伝っている。

花かんざし

舞妓さんや芸妓さんの髪を彩る、色とりどりの飾りかんざしのこと。職人が縮緬や絹などの小さな布を使い、花びらやつぼみの形を作り、四季折々の草花などを形作る伝統工芸で、「つまみ細工」と呼ばれる。
作中には、京の四季のモチーフや草花を元に作られる「花かんざし十二月」が登場し、祇園の花かんざし職人が、季節の装いに合わせた十二か月の飾りを作っている。

〈作中に登場する「花かんざし十二月」〉

  • 1月 松竹梅
  • 2月 梅
  • 3月 菜の花
  • 4月 桜
  • 5月 藤
  • 6月 柳/祇園会のうちわとお祭り模様
  • 7月 金魚
  • 8月 すすき
  • 9月 桔梗
  • 10月 菊
  • 11月 紅葉
  • 12月 顔見世のまねき

北山杉の里に育つ、主人公のかえでと萬吉。『出絞と花かんざし』は、二人がそれぞれ、「北山杉」と「花かんざし」にかかわる夢を持ち、未来に向かっていく爽やかな物語。ぜひ味わってください。

プレゼント告知

『出絞と花かんざし』の刊行を記念し、文庫カバー絵を使った特製マスクケースを、抽選で1,000名様にプレゼントいたします。

【応募方法】
書店にてお買い上げいただいた文庫『出絞と花かんざし』の帯にある応募券を1枚1口でハガキに貼付し、①郵便番号 ②住所 ③氏名 ④年齢 ⑤職業 をお書きのうえ下記までご応募ください。

【宛先】
〒112-8011 東京都文京区音羽1-16-6
光文社文庫編集部 「出絞と花かんざし」プレゼント係

【締め切り】
2021年8月末日(当日消印有効)

  • *ご応募はハガキ1枚につき1口のみ有効とさせていただきます。
  • *商品のお届け先は日本国内に限ります。
  • *当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
  • *賞品の発送は、2021年9月の予定です。
  • *ご応募いただいたハガキの個人情報は、本キャンペーン以外には使用いたしません。

プロフィール

佐伯泰英氏

佐伯泰英 (さえき・やすひで)

1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」「空也十番勝負 青春篇」「照降町四季」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。

佐伯泰英ウェブサイト
https://www.saeki-bunko.jp/