佐伯泰英 文庫書き下ろし最新作 用心棒稼業 芋洗河岸(2) 2024年2月14日発売! 佐伯泰英 文庫書き下ろし最新作 用心棒稼業 芋洗河岸(2) 2024年2月14日発売!
佐伯泰英時代小説300冊 300冊突破! キャンペーン情報

佐伯泰英さんの文庫書下ろし時代小説が300冊を突破したのを記念して、2024年1月発売の文春文庫『恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次(二十六)』と『用心棒稼業』には、佐伯泰英さんから読者への感謝の気持ちを込めた「特製しおり」が挟み込んであります。
しおり制作の舞台裏を、こちらにて公開中。しおりを手になされた後でぜひお読みください。元になった写真については、3月13日、光文社文庫より刊行する『未だ謎(仮)芋洗河岸(3)』に挟み込みの「佐伯通信」でも紹介予定です。そちらもお楽しみに。

内容紹介

美濃国苗木藩を出て、神田明神下にある一口長屋に流れ着いた小此木善次郎は、江戸で初めての新年を迎える。初詣に賑わう神田明神で騒ぎが勃発。青柳道場では師範として若手の指導に奔走する。長屋の女連のための行楽を工面した善次郎だったが、それが芝居小屋を動転させる大捕物に発展。長屋に隠された謎は、そこから思いがけぬ展開を見せて――。圧巻の第二巻!!

登場人物紹介

  • 小此木善次郎二十六歳。美濃国苗木藩遠山家に務める代官であったが、藩からの半知通告を受け困窮し、藩を出て浪人となる。江戸で、神田明神下の「一口長屋」に居を得る。
  • 小此木佳世夫である善次郎と藩を出て、二年をかけて江戸に辿りつく。旅の途中で一子、芳之助をもうける。
  • 越後屋嘉兵衛神田明神門前にある米問屋の九代目。一口長屋の大家。裏の稼業として旗本、大名家などへの金貸し業も営む。
  • 孫太夫越後屋の大番頭。
  • 義助神田明神下にある一口長屋の差配を務める。
  • 青柳七兵衛幽霊坂に神道流道場を構える道場主。
  • まむしの源三郎神田明神下に賭場を開く野分の文太の用心棒。

登場人物紹介

 地図  
地図

「芋洗河岸」シリーズの舞台となるのは、江戸のど真ん中、といってもいいだろうか。江戸の総鎮守とされた、神田明神のある界隈である。神田明神の周囲には門前町が広がり、主人公の善次郎はその、神田明神下にある「一口長屋」に住むことになる。
美濃から出てきたばかりの善次郎は、江戸の地理を覚えようと必死になる。神田川、大川、根津権現、日本橋から芝居町などを訪れ、どんどん世界を広げていく善次郎。果たして、江戸の町にどんな感想を抱くのか?

芋洗河岸の、一口長屋とは?

 「淡路坂」  
現在の淡路坂。千代田区神田駿河台、神田川にかかる昌平橋の袂から上る坂だ。

江戸の頃、神田川に昌平橋がかかるあたりの河岸は、「芋洗河岸」と呼ばれていたようだ。
そして「芋洗」を「一口」と書く場合もある。近くにある昌平坂は、「一口坂」とも呼ばれていた。
なぜ「芋洗」なのか? なぜ「一口」と書いて「いもあらい」と読ませるのか?
それには諸説があるらしい。ここでは詳細に立ち入らないが、近くにあった太田姫稲荷(一口稲荷とも)の由緒。京都に今も残る「一口」という地名。江戸の町を開いた、太田道灌と疱瘡の関わり。そして家康の江戸城入城と、その後の江戸の都市計画。実際に、芋を洗っていた、ということ。それらが関わっているということだが、真実はいかに。
主人公の小此木善次郎は、このどこか不思議な響きを持つ「芋洗河岸」で、偶然に差配の義助と出会い、「一口長屋」という名を持つ長屋に住まいすることになる。
この「一口長屋」にはどうも、大きな謎が隠されているらしい。金もなく、知り合いもなく、仕事もない。ただ妻と幼い息子を連れ江戸にやってきた善次郎は「一口長屋」にやってきたことで、大きな運命へと導かれていく――。

 「太田姫稲荷(一口稲荷)」
現在の太田姫稲荷(一口稲荷)。江戸時代には、昌平橋際から一口坂を上っていく途中にあったが、現在は少し離れた神田駿河台の地に遷されている。

神田明神とは? 現在の神田明神。江戸の頃から現代に至るまで、参拝客は絶えない。

天平2年(730)に出雲氏族の真神田臣によって創建され、大己貴命、少彦名命、平将門命などを祀る神社。戦国大名や、徳川将軍家より深く尊崇され、江戸の庶民からも大いに信仰を集めた。二代将軍秀忠の頃には、「江戸の総鎮守」と定められた。
元和二年(1616年)に神田明神が現在の場所に鎮座した際、神主が寺社奉行所に願い出て許しを得、商人や職人が住む町をつくったという(神田明神HPより)。
小此木善次郎が住む「一口長屋」は、その神田明神へと続く坂道の途中にあり、神田明神下、と呼ばれる一画にある。
ほんの短い間、江戸藩邸にいたことがあるが、江戸のことをほとんど知らずに、神田明神の近くに住むことになった小此木善次郎。歴史と由緒のある神田明神にどうかかわっていくのか? シリーズの読みどころのひとつだ。

著者からのメッセージ

 新シリーズ 「芋洗河岸」刊行にあたって

 新しい作品を書く折り、シリーズ名が頭に浮かぶと、もはや第一巻が半ば為ったような気がする。今回の場合も一口と書いて「いもあらい」と読むと知り、主人公小此木善次郎一家をこの地に立たせたとき、芋洗河岸第一巻「用心棒稼業」の物語が動き出した。

プロフィール

佐伯泰英氏

佐伯泰英 (さえき・やすひで)

1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。1999年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。2024年1月、文庫書下ろし作品のみで累計300冊突破、累計部数7840万部突破の快挙を成し遂げることに。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(小社刊)の他、2019年に映画化された「居眠り磐音」、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「空也十番勝負」「照降町四季」「柳橋の桜」「鎌倉河岸捕物控」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。

佐伯泰英ウェブサイト
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