先生 | 恋愛をしていない時もありますか? |
私 | ほとんどありません。誰かとつきあったら長い方だし、恋人にかなり依存してしまう方です。相手もよくしてくれますし。ただ、恋人が私を愛してくれて、全てを受け入れてくれても、何かすっきりしないんです。私は、本当は依存したくないんです。独り立ちして、自立心を持ち、一人でもちゃんと生きていたいのに、それができないように思うんです。 |
先生 | 友だちとの関係はどうですか? |
私 | 子供の頃は友だち関係がものすごく重要だと思っていました。同年代の子たちと一緒です。でも、小学校の特に1回と中学校の時に1回、いじめにあって、高校まで仲良しグループから外れてしまって、そこから友人関係に対する恐怖心が生まれたような気がします。それが自然に恋愛に移っていって、友だちとか友情とかには期待も関心もなくなりました。 |
先生 | なるほど。仕事には満足していますか? |
私 | はい。出版社で広報営業の仕事をしています。今は会社のSNSチャンネルの担当ですが、コンテンツを作ってアップロードして公開しています。面白いし、私に合った仕事だと思います。 |
先生 | いい結果が出たこともありますか? |
私 | はい、ありました。それでもっと頑張ろうと思ったこともあるし、結果を出そうとしてプレッシャーを感じることもあります。 |
先生 | そうなんですね。詳しく話してくれて、どうもありがとう。いろいろ検査をしないと正確なことはわかりませんが、あなたは依存傾向が強いようですね。感情の両端はつながっているので、依存傾向が強い方ほど、依存を嫌います。例えば、恋人に依存している間は安定感を感じる一方で不満がたまり、恋人から解放されると自立性を得られる代わりに不安感と空虚感に苛まれる。もしかしたら、仕事にも依存しているかもしれませんね。成果が上がることで自分の価値が認められて安心できるから依存するのですが、その満足感というのが長くは続かないのが問題です。これでは堂々巡りです。憂鬱さから抜け出そうと努力するのに失敗して、また努力と失敗の繰り返しの中で、情緒そのものが憂鬱になってしまう。 |
私 | そうなんですね。(この言葉に慰められ、目からウロコが落ちた気がした) |
先生 | 切り替えが必要ですよね。憂鬱と挫折の悪循環から抜け出すためには、自分が考えもしなかったようなことに挑戦してみるといいでしょう。 |
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私 | 何からすればいいのかわかりません。 |
先生 | 今から探しましょう。小さなことでいいので。 |
私 | それと、SNSに少しずつ盛った内容をアップしてしまうのです。幸せなふりをするってわけじゃないのですが、好きな本や風景、文章などを紹介しつつ、自分を特別に見せたいというか。「私って実はこんなに奥が深くて、イケてる人なんだ」というのをアピールしたいみたいな。それと、自分の基準で他人を判断し、評価してしまうんです。自分がいったい何様のつもりなのでしょうね、他人の評価などできるわけないのに。おかしいですよね。 |
先生 | お話をうかがっていると、あなたはまるでロボットになりたいみたいですよ。何か絶対的な基準を持った人になりたいような。 |
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私 | そうなんです。そんなの不可能なのに。 |
先生 | 今週は今日差し上げた検査用紙(500の項目の性格検査と症状、行動評価、スケール検査)をやってみて、どんなふうに気持ちを切り替えたらいいか、考えてみるのはどうでしょう? |
私 | やってみます。 |