限定品もございますので詳細は和菓子の各店舗にお問合せください※これらのお菓子は、新型コロナによる緊急事態宣言を受けてスタートしたTwitter連載(2020年5月~)で紹介されたものです。Twitterでの応募により、全国の和菓子屋さんから送っていただいたお菓子は、なんと34種。クリックすると坂木司先生の実食コメントが読めます。

すごもりチャレンジ
せんべいを噛み締めながら、コロナ感染爆発防止のためにすごもりすることが数学的になぜ必要か家族で考えてみるのもオススメです。

「すごもりチャレンジ」?
おせんべい屋さんから数学の問題が届くとはびっくり。
基本の「みそ入り大垣せんべい」は甘くてちょっとしょっぱくて、
じんわりしみしみの硬い厚焼き
それの二つ折りは、バリンボリンの硬甘パラダイス。
四つ折りは、「い〜っ!」っとなるくらい硬くて、
日本一硬いおせんべいと言われているのも納得。
で、それをなんと今回、八つ折りに!
いやもう無理でしょ。
見た瞬間「岩」って思ったもの。
指数関数は爆上げのうなぎのぼり。
ちなみに、金槌で叩いても割れません!
おまけ・八つ折りの食べ方
公式は「ずーっとしゃぶってる」で、
「40分くらいかかります」とのこと。
(私は金槌で欠けたところをごりごりしていました)
これ、日本一どころか世界一レベルの
硬い食品(しかもおいしい)なのでは……!

玉穂堂
ふんわりさくさく、味わいはしっとり、新しいのにどこかなつかしい。伝統も大切に守りながら、今の暮らしにもなじむ「これから」のお煎餅。

指数関数の問題つきみそ入り大垣せんべい。
おまけのように同封されていたのが、
硬さの対極、赤ちゃんからお年寄りにまで優しい玉穂堂シリーズ。
ぱり、とろっとした口当たりに笑顔がこぼれる。
「い〜っ!」のあとは特にね。
玉穂堂のプレーンは、牛乳をかけて黒蜜をたらりとすると、
最高に贅沢でおいしいシリアルおやつになるんだよ。
あっという間にとろけちゃうから、急げ急げ!
個人的に、一番好きな玉穂堂の味はココナツ。
ぱりかしゃっと崩れる甘い南国の香り。
ココナツがしゃりっとして、本当においしい!
アイスにもめちゃくちゃ合うんだけど、
大好きだからもったいなくてちびちび食べます。

落花
表面はパリッと、中は霜柱のような独特の生地にどこを食べても落花生がたっぷり入った田中屋さんの自慢の一品!

ピーナッツをおせんべいの生地でまとめました、
くらいのピーナツぶり。
これだよこれ! のボリボリ感。
コクと甘みと香ばしさが口いっぱいに広がって、
ああ満足。
日々の贅沢って、こういうことを言うのかなあ。

しろたえの
バレンタイン時期限定版。ミルキーなチョコの風味に落花生のコク、パリパリに香ばしく焼かれたせんべいの食感で大満足。

絶対おいしいピーナッツのおせんべいに、
ホワイトチョコレートをかけちゃった。
ナッツの香ばしさにカカオバターが加わって、
絶対どころかもう無敵。
バレンタイン限定ということなので、
これから毎日バレンタインにしていきたいです!

二人静
清楚な茶花「二人静」をモチーフにした紅白一対の干菓子です。徳島の和三盆糖を使用し、丁寧に作られた御干菓子が口の中で溶ける風味をお楽しみください。

あちこちで書いているのですが、
私が人生最後の日まで口にできるんじゃないかと
思っているお菓子です。
ゆっくり溶かせばとろとろ。
噛めばさっくりしゃりり。
優しい甘みにいつもうっとり。
半球形は誤飲しにくいし、
幼児からお年寄りまで絶対安心の二重丸。
でもね、それだけじゃない。
二人静には、すごいヒントが隠されている。
それは、砂糖がお菓子に変わる瞬間の不思議。
「砂糖菓子って砂糖を固めただけじゃないの?」
と思っていた私に、
「あ、これお菓子だ」
と思わせてくれたのが二人静。
和三盆糖と粉糖だけなのに、
なぜ「お菓子」になるのか?
砂糖とお菓子の境界線はどこなのか?
『和菓子のアン』を書くにあたって、
これは大きなテーマのひとつです。

水ようかん※期間限定品
ふくよかに広がる上品な味わい「こしあん」の水羊羹

こしあんは、ひとくち食べた瞬間に
「これだよ、これ!」と言いたくなる。
のどごしが良くて、甘さが絶妙な正統派。
そしてなぜだろう、
こしあんは真夜中が似合う。
こっそりするりと食べるのが、
最高においしいからかな。

水ようかん(抹茶)※期間限定品
西尾産の抹茶の香がふくよかに薫る「抹茶」の水羊羹

暑くなったら、冷蔵庫に常備しておきたい水ようかん。
熱中症ギリギリで家に帰ってきて、
抹茶をつるりと飲み込むと「あ〜っ」とため息が出る。
甘くて冷たい、夏の特効薬。

月よみ山路
ほのかな竹の香りが立ちのぼり葛を加え蒸し上げた餡が独得の歯ごたえを残す。ほどよい甘さが口の中に広がり、ほっこりとくずれた栗が香ばしさと共に季節の風味を添える。味は言うに及ばず素材、かたち、色、香りが絶妙に溶け合った「伝統の味」

みんな大好き栗蒸し羊羹。と思いきや、餡には葛が使われていてもちもち。中にはほっくりの栗がたっぷり。そして後味にかすかに立ち上る、竹の香り。口に含めば、一瞬で凛とした秋の山の中へ行ける。つかの間のトリップ。いつでも旅立てる幸せ。

比咩くるみ
加賀一の宮 白山比咩神社への奉納菓子。名物の栗とはまた一味違う、味噌とくるみの芳ばしい一品。

どうしようすごくおいしい。奉納菓子なのに、こんな勢いで食べていいんだろうか。もちもちの味噌餡に、くるみのこりっとした歯ごたえ。噛みしめるほどに広がるコクと、たなびく香り。山の洗練を極めた味。なるほど、これは神様も喜ばれるはずだ。

ルビーのいちご※季節限定品
JALのファーストクラスで採用され、ヤフーランキング全国一位常連という人気のお菓子。手作りなのに手を触れない独自製法を採用し、苺が傷むのを防ぎ、お取り寄せも可能に。※季節限定品のため現在は終了しています。

これはフレンチのデザートだろうか?艶めく表面に流れるのは、金の粉と銀の星。ぷつりと歯切れの良い餅の中には、白あんに包まれた大ぶりないちご。とてつもなくジューシーで、飲むように食べてしまう。喉をすべり落ちるルビーのしずく。甘い夜。

薄氷あやめ※期間限定品
銘菓・薄氷が四季折々に表情を変えます。光踊る5月の風を受けて、白に紫と咲き誇るあやめ。清らかな花を護るかのように、天に向かってすっと潔く立つ緑の葉。そんな優美な姿が一枚の干菓子に表現されています。

シンプルにして簡潔。デザインの極み。これはぜひ抹茶と共に食べたい。
薄氷特有の、不穏で暖かな甘さ。
連城三紀彦の作品に出てくるような、
ミステリアスな美女の横顔。

T五
北陸の冬の風情を表した干菓子薄氷をアレンジ。 和三盆と餅粉から作られ、口の中でふわりと溶ける。 味の基本とされる塩味・苦味・酸味・甘味・滋味を、桜(春)・抹茶(夏)・柚子(秋)・和三盆(冬)・胡麻(土用)の五つの味と色に重ねています。

おとぎ噺の姫君のような、儚い手触り。しゃりさくしゅん、と消える本体。でもしっかりと残る味。桜のくっきりとした塩味と、柚子の酸味が鮮やかだ。抹茶の苦味に胡麻の滋味。和三盆のほの温かさが不穏ですごくいい。良質のミステリとよく合う。

T五紅茶味
北陸の冬の風情を表した干菓子薄氷をアレンジ。ダージリン地方の高地で栽培される「グレイスピース」のダージリン茶葉から生まれたのがT五の「紅茶」。香りと甘味、その後に訪れる渋みを薄氷にとじこめました。

口に含んだ瞬間は「そんなに紅茶?」。
でもすぐに広がるダージリンのフレーバー。
渋みまであるのが、紅茶好きには嬉しい。
後味に爽やかなマスカットが香る。
まるで本当に紅茶を飲んだ後のような気分。
定番の和三盆はアールグレイのアイスティーに
良くあいます。

きりん
サクッとした食感と、すっと溶けていくメレンゲのやわらかな甘味。 食べやすくスティック状に仕上げました。

砂糖の干菓子かと思いきや、
さくっと折れてしゅわっと溶ける。
しかもなんだかコクもある。
なるほどこれはメレンゲ風。
和洋のいいとこどりに頬がゆるむ。
桜、抹茶、レモンに和三盆。
どれもおいしいけれど、
私が気に入ったのはココア。
軽いのに奥深い味で、
これもまたいいとこどり!

梅園
万葉集の歌にちなみ創作した越中銘菓。国産の古城梅を柔らかく蜜煮して、北海道産白いんげん豆のみで自家製餡した白餡と、北陸産の餅粉を使った求肥で包んだもの。

ふにふにのお餅の中に、しっかりとした梅の手応え。
硬い?酸っぱい?いえいえ、なんととろりと
甘酸っぱい。まるでさくらんぼのようにフルーティー。
餡の手亡豆もコクがあってしっとり。もう一個ください!

よりより
北海道産の小豆を炊いた粒あんを、軽い食感の皮で挟んだ定番のどら焼きです。

生地がおいしい。本当においしい。
スパッと歯切れがよくて、もさもさしない。
粒あんの甘さがとにかく上品で、いっくらでもいける。
すみません。これはもう三個下さい!

いみずの
レーズンと、香り高いジャマイカ産のラムのみを使って自家製で漬け込んだラムレーズンと、ホワイトチョコ(クーベルチュール)のクリームを挟んだ、手絞りのしっとりしたブッセ。 人気の一品。 お日持ちは常温で1週間。

こういうお菓子、「ブッセ」っていうんですね。
よくある感じ、無難なおいしさだろうと思うじゃないですか。
でもラムレーズンがめっちゃうまい!
ジューシーなレーズンとジャマイカ産のラム。
クリームはホワイトチョコで、生地はふっかふか。
こちらももう一個下さい!
